パンズ・ラビリンス 感想

綺麗で切なくてドリフで。
=以下、多少ネタバレです。=
妄想に逃げるしかなかった少女オフェリア。
映画を観て誰もが解る通り、ただでさえ時代が時代、環境が環境である。
年端も行かないいたいけな少女が、ああいった御伽噺に没頭する事は必然とも言える。
果たしてこの映画がファンタジーであったかどうか、つまるに夢オチであるのか否かは、さして求める所でもない。
私はこの映画を観て、リュック・ベッソン監督の「ジャンヌ・ダルク」を思い出したが、それと同じく真実がどうであれそれで何か変わるものでは無いと思う。
ジャンヌが本当の意味で神の言葉を聴いたのか、そんなん知らん。兎に角彼女をフォローすんねん。
オフェリアがハッピーエンドなのかどうか、そんなん知らん。本質はそこじゃねぇ。
可愛そうかどうか。
そんなん?
そんな映画?
違うだろう。
強いて言えば”可愛そう”一択である。それ意外無い。
仮にオフェリアが死の間際に妄想による幸せを勝ち得たとしても、それはそうせざるを得なかった、と言う切実な彼女の環境が先にあるからだ。追い詰められての選択だったのだから。
果たしてそんな理不尽で一方的な結末をハッピーエンドと言えるだろうか。
勿論、オフェリア本人は、周囲の感想など全く関せず、幸せを噛み締めているに違いないが。
感想への感想になってしまうが、見たい方向にしか見ないのは感想として有りとは思う。
だがそれで「この映画はこうである」と完結するのは、おかしい訳だ。
少なくともこの映画では、どっちにも見えるように構成されているし、「100%こっち」だと決定出来る材料は登場しない。(私が気付いていないだけかも知れないが。)
物語が綺麗に描かれていた事は確か。
映像美もそうだが、特にモンスターの造形は(特にペイルマン)、御伽噺のテーマの1つでもある”裏の怖さ”を顕著に物語る、最高の役割を果たしていたと思う。
そしてそこで、出されるドリフ感。
日本人にとって出オチやベタが、様式美と取れるように、ここでのオフェリアの行動、それの演出もまた観客の苛立ちと焦燥感を駆り出される秀逸な、まさにドリフ。新喜劇でもいいけど。
ベッタベタである。
・パンズ・ラビリンス - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%91%E3%83%B3%E3%82%BA%E3%83%BB%E3%83%A9%E3%83%93%E3%83%AA%E3%83%B3%E3%82%B9
=参考=
・撮影監督の映画批評 「パンズ・ラビリンス」
http://pointbreak.blog66.fc2.com/blog-entry-142.html
・パンズ・ラビリンス評価
http://www.tcp-ip.or.jp/~iwamatsu/bbs_log07/pans_labyrinth.html
・パンズ・ラビリンス(El laberinto del fauno/Pan's Labyrinth) | 映画感想 * FRAGILE
http://fragile.mdma.boo.jp/?eid=667405
・「パンズ・ラビリンス」の映画レビュー・批評 | Movie Walker
http://movie.walkerplus.com/mv36289/review/
・【感想】パンズ・ラビリンス : しろくまこ・映画を語る
http://blog.livedoor.jp/shirokuma22/archives/20952472.html
・ノラネコの呑んで観るシネマ パンズ・ラビリンス・・・・・評価額1750円
http://noraneko22.blog29.fc2.com/blog-entry-126.html
・『パンズ・ラビリンス』本来童話とは現実の残酷さを教えるもの: 新・よろ川長TOMのオススメ座CINEMA
http://yologawa.cocolog-nifty.com/osucine/2009/11/post-3fba-1.html
- 関連記事
スポンサーサイト