ミチコとハッチンとオッパイ

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=以下、あくまで7話目までの感想です。=

■ファッキンビッチミチコ
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 -ちなみに、これは僕の完全な妄想ですが、子供の頃しずかちゃんとか嫌いじゃありませんでしたか?

 山本 嫌いでしたね。しずかちゃんや南ちゃんの良さがまったく理解できませんでした(笑)

 -どのようなあたりがダメでしたか?

 山本 男にとって都合の良い感じがダメでしたね。(後略)

これはアニメ「ミチコとハッチン」を監督した山本沙代氏のインタビューだが、私は彼女の言い分に少し引っかかるものを感じた。
監督は、その後もミチコとハッチンには、そのような男の妄想産物のようなものでなく、監督の好みを反映させた「あるある」と思える共感出来るリアルな女の姿・本音を描いていると語っている。

実際確かに、その通りなのだろう。
「これは男の人が観たら引くだろうな」と監督が言うほどの共感性は、少なくとも男性の感想としては、当時よく耳にしたし目にもした。
逆に女性のはどうかと言うと、やはり共感の声が高く、爽快な物語としての感想が多い。
評価の意味としては男女で対極かも知れないが、監督の目指した共感部分は、同じくして高い。

しかし。

映画ゴーン・ガールを観た後で、私が友人に「こういうクソビッチが活躍するものって無い?」と聞いて帰ってきた回答がこの「ミチコとハッチン」だったのだが。
ゴーン・ガールの主人公エミリーが余り好きでなかったのとは逆に、ミチコと言うキャラクターは好きな方だった。

どちらも解り易くビッチなのだが、ミチコには弱さがギャップとして結構えげつなくきちんと用意されていて、それが可愛く写るのが個人的に印象深い。まあ、それ以前に見た目が抜群に好みなだけだけど。
エミリーにも弱点そのものはあるが、それがギャップや、言ってしまえば萌えに繋がらない。これも好みだとは思う。

で、思ったのが、結局は好みなんじゃねぇのと。

山本監督の計画は成功したとして、それでも、じゃあミチコが女にとって魅力的なキャラクターであるかどうかは、全くの別問題である。

クズ男がわんさと出てきてそれをフルボッコにするミチコがいて、気分爽快。
確かにそうだし、実際私はミチコが好みである。

ぶっちゃけ好みでしかない。
何故なら、褐色肌だから、姐御肌だから、巨乳だから、美人だから、ビッチだから。バカだから。

監督は「男にとって都合の良い感じ」ではないキャラクターとしてミチコを作っている。
それでも完成されたアニメでのミチコを見ていると、「男にとって都合が良くない」とは思えないし、また「女にとって好きな」とも思えない。(そこまで言及はされていないが。)

女の闇の部分である弱さや狡さ、そして強さをデフォルメしたミチコは、私にとって女の理想像の1つですらある。

そして同時に断言出来るが、ミチコはクソビッチである。
人として最低のウンコだ。まさにマランドロ。

それは非常に魅力的であり、かつ極めて嫌悪される対象でもある。

つまりミチコのような悪党が外見を含め好みか否かで、このキャラクターの評価は別れるのである。

前述したビッチがクズ男をフルボッコでスッキリなストーリーも、また、そう言える。
これほど、安易で幼稚な構図、展開も滅多に無い。
勿論、そこには複雑でめんどくさい女のハニーブレインが絡み付いている訳だが。
そのシナリオを批判するのが男で、評価するのが女として、それはいい。

ただ、だからと言ってこのアニメが昨今のものと比較して著しく革新的かと言うと、そんな事は無い。
比べる対象が萌えアニメ一択であるなら、概ね正しい批評と言えるが、しかしそれは既存のアニメをいちジャンルのみで語っているに過ぎず、視野の狭さを自覚出来ていない故である。

仮にそうでなかったとして。
「男の理想にはウンコが描かれていない」から「女の現実としてウンコを描く」のでは、主張の根拠こそ解るものの、表現の部分に心底品性の下劣を疑わざるを得ない。

無論、創り手である監督はそんな事上等なのだが(恐らく)、観る側の客が、その旨を理解していない。
いや理解はしているのだろうが、感想群にその安否を感じられないのである。

ゴーン・ガールの感想と全くかぶってしまったが、ただ”好きだから素晴らしい”のではなく、清濁併せ持った末の賛美を、大人として感想すべきだと、邪知する次第である。


ちなみにネットの感想で「今までの回想シーンから考えるに、ミチコはヒロシの恋人というほど確かな関係でもなかった様子。だから浮気ってわけではないのよ。」と言う記述があった。
非常に女特有の自分勝手で小狡い言い訳に聞こえてしまうのは、私の器が矮小だからだろうか。

少なくともミチコのヒロシへの思いは尋常では無い。
9年越しの脱走劇もさることながら、ハナの写真が唯一の希望だったと語る場面は、如何にヒロシの元へ到達する事が強固な目的であるか確認出来る描写である。まあぶれっぶれだけど。
ブルーノのスケコマシに引っ掛かったのは彼女の不安や希望のベクトルを確信的に突かれたからであり、また元よりミチコがバカビッチだった事に起因する。ヒロシへの薄情故にではない。

つまり浮気である。
速攻本気になりかけたくらいに沸点低いけどw


■ハッチンマジ癒し
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このアニメ最大にして最小の良心ハナ。
ミチコが大人の女としての汚れを描いたなら、ハナは正反対の、女でない子供としての潔癖を描いている。(潔癖と言ってはあれだが。)
やおい(ホモじゃない意味)が女の趣味を表すとしたら、このアニメもまたそう取られるきらいはあるが、しかしだからこそヤマなしオチなしイミなしではない部分が、キャラクターの絡みで光ってくる。

私はミチコに萌えると言いはしたが、しかし実際この作品としての萌えに相当するのはハナである。個人的に。

可愛らしくて仕方無い。
この娘がいて初めてミチコの補完がなされ、物語としての緩和剤・清涼剤の役目も果たしている。

ハナはミチコの女の部分を否定する子供だが、同時に(ミチコより数段上の)常識・良識を持つ大人でもある。
勿論それらは大人の汚さへの嫌悪からくる、子供じみた苛立ちや反論から生じたものである。
ハナが大人を頼るべき子供故に純粋に心に響いてしまうのであり、その事が、聡明な彼女にとある絶望を学習させてしまっている脆さがある。

しかしてハナは、ミチコのようなだらしない大人を「しょうがねぇな」と言っちゃえる大人な子供である。(多分。)

親がなくとも子は育つ。
ろくでなしの反面教師が跋扈する世界で、ハナが逞しく立派な大人になる未来しか私には見えない。


■オッパイの拘りに関して
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”アニメに出て来る美女って、体つきも、男にとって理想的な体つきをしてて、それは別にいいんだけど、あまりにも現実離れしてるから、あたしは、「本物の女の裸を見たことない人が描いてるのかな?」って感じることも多かった。
”特にオッパイの形に違和感を感じてた。”
”(山本監督のインタビューに対し)やっぱり女性だけあって、今までのアニメの変なオッパイに不自然さを感じてて、そういう細かいとこにも、ちゃんとコダワリを持って制作してたんだ!”

という記事を見つけた。

山本監督自身、「デザインでいうとミチコのノーブラ感。アニメによく出てくるお尻みたいな記号的な胸ではなく垂れている自然な感じ・・・。」とインタビューで答えているように、それは間違いが無く。
そして女のアニメおっぱいに対する拘りは、上記の記述のような例が昔からうんざりするほど多くある。

しかしそちらの主張は、甚だ無知の域を出ないのである。

先んじて置くと、私もまた、従来の意見と相違せず、まん丸記号的おっぱいは大嫌いである。クソと断じていい。あれはクソだ。
乳揺れ的な動画部分もさることながら、作画の段階で辟易する。

ただ、残念ながら、これはおっぱいがどうのと言った問題で片付くものでは無い。
単純にアニメーションの制作プロットの段階で、もしくはそれ以前の前提として、アニメとは基本出来得る限りのデフォルメを強いられるメディア媒体だからだ。
おっぱいが記号的なのではなく、全部が記号的なのである。

また同ブログ記事には”所詮はマンガやアニメなんだから、何でもアリの世界なんだけど”ともあった。
 ※一個人への批判ではなく、あくまで女性に多い批判として扱っている旨です。

それも間違いである。
いや何でもありは何でもありなのだが、特にTVアニメは余程環境がすこぶる優れていない限り、常に締め切りとの闘いであり、もうかつかつなのである。
如何に余分な部分をオミットするかの勝負でもある。正直、おっぱいなんぞに構っている暇は無い。
となれば、より簡略に、より記号的になっても致し方ない現状がある。(勿論、好みの問題もある。)

監督がその拘りを、特に絵で描写出来る環境の方こそが特殊なのである。(信じられないほど修羅場だったかも知れないが。)

それを加味した上で、それでもおっぱいに拘れと言うのであれば、お前がやれ。先ず見本か代案を示せ。

誤解を招かないよう確認の為にもう一度言うが、私もまた、従来の意見と相違せず、まん丸記号的おっぱいは大嫌いである。クソと断じていい。あれはクソだ。


=参考=
・「ミチコとハッチン」山本沙代監督インタビュー まとめ・要約簡易版 - あしもとに水色宇宙
http://d.hatena.ne.jp/tokigawa/20081208/p1
・ミチコとハッチン- 7話「雨におちるモノトーン」感想 - アニメ設定資料集情報箱
http://iroha48.com/sa/samurai_champloo/michiko_kanso6.html
・ミチコの体温: きっこのブログ
http://kikko.cocolog-nifty.com/kikko/2009/03/post-529d.html
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