記憶探偵と鍵のかかった少女 感想

記憶探偵と鍵のかかった少女

タイトルで損をしているような気がする。

少なくとも私はこのタイトル故に視聴を敬遠していた。
よくよくよくある”他とは違う美少女あたし”が長身で渋いイケメンにいい感じにお姫様扱いされて、悪い何かから助け出される愛と勇気とちょっぴり不思議のファンタジー映画なんだろうなと思っていた。

てっきり子供向けだと勘違いしていた。

原題のマインドスペースじゃ集客力が弱いのは解るが、内容が大人向け?(っぽい)事は、もう少し解り易いタイトルにして貰えないだろうか。そうですね駄目ですね。


=以下、普通にネタバレです。=

ミステリの手法としてはまあまあ最近の「記憶操作」というある意味禁じ手を絡めたもので、これがかなりの曲者。
ただでさえ生ものでありかつ曖昧な”記憶”なのだから、そこに整合性をミステリとして求めるのは、”本格”として不合格である。私的に。

勿論それを含め、物語の全体像がクリアにまとまってさえいれば、一つの作品として充分に成り立つ訳だが。

本映画は、ちょっと頭が良い程度の少女が、現役バリバリのプロ探偵を欺き、あまつさえその”特殊能力”を自分がコントロールされている状態で操り、記憶を改変するのである。
この部分は、本格ミステリと言う意味で、割と何もかもをぶち壊す暴力的な箇所なのだが、そもそも探偵のオッサン自体が、見ている記憶の虚実を判別出来ていないという驚愕の事実がその前後に挟まれる。

主役であるジョン(マーク・ストロング)は極めてスマートな紳士の外見なのだが、物語上の彼は、過去のトラウマも原因の一つとは言え、観客をカタルシスに導く探偵役としては恐るべきポンコツぶりなのである。
正直、活躍と言う活躍を一切見せない。最初から割と最後まで踏んだり蹴ったりのピエロに過ぎず、マーク・ストロングの格好良い「謎は全て解けた!」を期待したファンはさぞ気落ちする事だろう。

対する少女アナ(タイッサ・ファーミガ)が、これまた黒幕臭を隠そうともせずにそれでいてサイコ感と思春期少女弱弱しさを併せ持った演技をするのである。そしてそれに明確に騙される探偵。駄目だこのオッサン。というやきもき感が本作品の魅力の一つ。

ストーリーも単純なクセに、記憶の改変や断片的な調査とヒントの小出しっぷりで明瞭さを得ず、イライラまではしないが、テンポの悪さと主人公の迂闊具合に見事に解り辛くなっている。

そも”何故”と観客が感じるであろう部分が、ほぼ全て解明されない、もしくは観客の想像にお任せするスタイルが、個人的に気に入らない。
一応、主人公を記憶操作する別の探偵ピーターが、最後に説明をするのだが、それも殆ど”何も解らないのが解った”程度。何の意味も無い。

せめてアンの天才性とサイコ感をもっと詳細に説明すべきだったと思う。描写が足りてなさ過ぎる。尺なんかいくらでもあったろうに。
脳医学や心理・精神医学に精通してる場面(博士号を複数持ってる等の漫画的配慮で充分)や、実はアンにも記憶操作の才能があった的な場面とかさー。
サイコの方も、もうちっと描写足してくれると、あれだけ意味不明の犠牲者と目的に比べ過剰で綿密な計画で失踪して置いてのラストの写真付きバラ送りつけも説得力あるのになぁ。そーゆー病気なのねと。なぁにがさんきゅーじゃボケぇみたいな。
 ※まあ捕まらない自信もあるんだろうけど。

こういう脚本の甘さも長編デビューの演出だとしたら、大した監督ではある。


追記:

”映画を見る前は記憶の中に潜入する能力があればどんな事件も簡単に解決出来ると思っていました。
 しかし、その記憶に騙されたり、自分の信じていたものが次から次へとあやふやになってしまう展開に
 最後まで目が離せませんでした!
 ミルキィホームズ(「探偵オペラ ミルキィホームズ」声優ユニット)              ”

?!




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・記憶探偵と鍵のかかった少女 - Wikipedia
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%A8%98%E6%86%B6%E6%8E%A2%E5%81%B5%E3%81%A8%E9%8D%B5%E3%81%AE%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%81%A3%E3%81%9F%E5%B0%91%E5%A5%B3
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