映画『マギー』感想

マギー

こう言う映画の度にガッカリする。

映画の内容にでは無い。
低予算でこのレベルの映画は撮れるのだと、暗に証明されるからである。
実際、このマギーにどの程度の予算が組まれているか解らないが、日本でも十分に可能なラインだと思われる。

だが日本でこのクオリティの映画は誕生しない。
非常に残念である。

一応断っておくと、この映画自体は大した作品では無い。
役者シュワルツェネッガーありきの割と強引でまあまあ雑な作りのものである。

ゾンビ世界における最もポピュラーと言える葛藤を、それもそこだけを抽出したこの映画のプロットは、普遍的ではあるがそれ故描き方を間違えられない難しさがある。
日本のゾンビ映画でこれに取り組んだものは少なからずあるが、そのどれもが真面目に描かれておらず落第点にすら値しない。
或いは過剰な演出でコメディとしての要素しか満たさない幼稚なものでしかない。

このマギーは、終始一つの要素を延々と引き伸ばし続ける手法で、答えになるラストもかなり質素であり、ミステリとしてのカタルシスはほぼ期待出来ない。(ジャンルがミステリと言う訳では無い。)
恐らくはどの選択肢を選ぼうが、この映画にテーマされる根本部分は同じなのであり、それを踏まえると個人的には好みのラストシーンである。

しかし、ただでさえゾンビ映画、その上シュワちゃん主演である。
内容を事前に知っていたとしても、客の求めるエンタメ要素はどうしても高くなるだろう。
そう言う意味では、派手さの欠片も無いこの映画は、かなり退屈な部類に入るだろうし、「つまらん」と感想する人も多い筈だ。
それはある程度仕方無いものであるが、同時にやや柔軟性に乏しいとも言える。

何故なら、映画を見れば解るが、これはシュワ爺の演技を見て欲しい企画だからだ。
普段演技を評価されず見向きもされず、基本それ以外を求められる。
ジャッキーを初めとしたグラビアアイドルたちエクスペンダブルズが、そのキャリアや武器を封印して欲するのが演技道だからだ。

シュワ爺を知る人なら、ファンなら、むしろこっちも応援すべきではないだろうか。

ただ残念ながら、シュワ爺の演技はそこそこ良かった程度で、脚本自体ぱっとしない印象は拭えない。
そもそも高BSLの難病で語れる内容をわざわざゾンビ物にする必要性もあまり無く(ゾンビ映画自体にそう言った暗喩や側面が在るのは確かだが)、したらしたでゾンビ映画として評価される為、どうしても星は少なくなる。

それでも暗く演出しがちなストーリーを、静けさでそれを表現した所は好感が持て、映像面の評価に過ぎないが低予算に見合った小さいが綺麗な映画と私は思えた。




・【公式サイト】映画『マギー』│2016年2月6日(土)よりヒューマントラストシネマ他全国順次ロードショー!
http://www.maggie-movie.com/

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