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OVA『るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- 星霜編』感想

星霜編

傑作だが同人。同人だが傑作。

TVアニメオリジナル然り劇場版然り、原作者が絶賛し公認していなければ公式であろうと所詮スタッフの想像力から派生したファンアートに過ぎない。
これは実写版にも言える事だが、原作と比較し優劣を判断する事は、作品への愛やリスペクトの確認と言う意味で限りなく正当で正確な評価であると思う。

勿論、基本的に原作と他メディア化された作品とでは別物と捉えるのは前提だが、中でも原作に可能な限り準じて製作されるTVアニメやその続編と位置づけされるものは、それら”別物”と呼ぶには作品としてニュアンスに少し差がある。
特にこのOVAである『星霜編』は原作に存在しないオリジナルストーリーだが、完全に原作と地続きで展開される内容の為、”原作とは別物”として切り離すにはその評価や感想として無理であり、また恐らく正しくない。

故に、この作品で主人公の「剣心」やその妻「薫」のキャラクターとしての変貌は、原作から推移として簡単に容認されるレベルの乖離では無いと受け止める視聴者がいても無理からぬ事である。

彼らの何がどう違うのか、それはアニメを見て把握して頂くとして、個人的にはOVAとして、それも完結している原作のその後を描くオリジナルアニメとしてこの作品に「傑作」の2文字を贈りたい。
ファンの間で名高い『追憶編』は原作基準のOVA化としてやはり傑作の出来だったが、この星霜編はそことは全くかけ離れた領域にある。

何故ならどれだけ心血を注ぎクオリティを高めても、叩き斬られるからである。
ただでさえオリジナル、その上原作は完結している。その続きを原作者以外が勝手に描こうと言うのだから、その時点で言語道断である。
しかも公式的にアーカイブされる作品としてである。企画の段階で狂っている。

しかしてOVAは完成し、評価の渦に巻き込まれ、それはこの恐るべきアニメを製作したスタッフたちのこの上無い至上の宝であろうと想像出来る。


=以下、感想です。=

年齢や怪我の蓄積による肉体の磨耗、苦悩と苦悩と苦悩に満ち、果ての無い巡礼に蝕まれる精神。
ズタボロに弱り果てそれでも己が赦される事こそが、救済の完結であると信じ歩く剣心と、それを一心に支えようとする薫。

剣心をシリアスな直線で描こうとすれば、誰でも到達するルートなだけに、その決着が鍵であり、どうしても賛否別れるところ。
薫が何故ああまで巴をトレースし、また活発であった己を殺し、そうでなくては剣心を支えられなかったのか、その背景は描かれないので若干不親切ではある。
剣心が薫の申し出を受けるシーンでも、彼らの沈み行く弱さが明確に描かれてはいるが、剣心の最期が敗北や暗殺でなく病死だと言う所も、監督の作家性がどうしてもオリジナルの方に偏ってシナリオされているように見える。

しかし、陰鬱だがそれでもハッピーエンドを描こうとした場合、画として必要なのは剣心と薫のカップルであり、この物語がるろ剣に相応しくないと言い切れるものでは無い。
そのファンアートをここまでのクオリティに仕上げたその手腕は評価したい。

これはあくまで、監督の考えるルートである。
重要なのは、るろ剣が必ずこの結果を迎えなくてはならない訳では無く、他の可能性を論じる事を封じた作品では無いと言う事である。

同人を公式に含めた事に反発を覚えるファンは多くいる。
その点に関しては私もその一人だが、しかしそれはこの作品の内容の評価とは全く関係の無いものである。

このアニメは、キャラデザが中途半端で気持ち悪い事と、実写がハイライト濃過ぎてノイズに感じる所と、上記した不親切な脚本部分、少し冗長に感じられる回想総集編やくどいホモソーシャルを除けば、別段悪くない。

確かに粗は多い。
しかし好みでしか語られないファンアート同人作品の中で、極めて別格の傑作だと個人的に感想したい。


・星霜編|るろうに剣心|アニプレックス
http://www.kenshin-tv.com/ruroken/seisou/
・るろうに剣心 -明治剣客浪漫譚- (アニメ) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%8B%E3%82%8D%E3%81%86%E3%81%AB%E5%89%A3%E5%BF%83_-%E6%98%8E%E6%B2%BB%E5%89%A3%E5%AE%A2%E6%B5%AA%E6%BC%AB%E8%AD%9A-_(%E3%82%A2%E3%83%8B%E3%83%A1)

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