『エクス・マキナ』感想

エクス・マキナ

こういうものは男女逆でこそ見たかった。

アンドロイドの無機質な美しさを、それでも生理的動物的に見せたい場合、やはり女性型に頼るしかないのだろうか。
特に映像となると、情報がほぼ視覚だけに限定される為、性別が男性では、訴えたい表現が困難に写るのかも知れない。
美少年という選択もありはありだが、セックスを描写するとなると、様々な制限が圧し掛かり余計な問題が発生してしまうだろうし。

そうして、どうしてもノーマルな、言うなれば在り来たりな退屈極まりない”絶世の美女”が誕生する。

残念ながらテーマも、それがストーリーも、目新しい要素の融合こそ見られたものの、古典から点在する既存なレベルをなぞっただけのものに過ぎず、余程この手のSF作品を知らない人以外は、どんでん返しな展開を期待するしか、見所を模索出来ない気がする。
そして意表を突く期待された何かは一つとして無く、予定調和だらけの、悪い意味でため息の出るラスト。
勿論上記した視覚的な部分や、一定の涼しげな静的ドラマ進行が退屈させない仕組みを助けてはいるが、それも全ては、客のジャンルやテーマへの拘りやリテラシーに頼ったかなり薄く弱いものであり、つまりこの作品だけのパワーでは決して無い。

それが悪いとは言わないが、極めてオリジナリティな内容に欠けるこの映画は、ハイクオリティではあるもののSFとしてはB級の域を出ない。

とは言え、低予算でこれほどのSFを今風にさらっと作っちゃうんだから羨ましい。
間違いなく日本でも出来る類の映画なので、余計悔しい。




・映画『エクス・マキナ』公式サイト
http://exmachina-movie.jp/
・エクス・マキナ - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A8%E3%82%AF%E3%82%B9%E3%83%BB%E3%83%9E%E3%82%AD%E3%83%8A

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『劇場版 MOZU』感想

劇場版 MOZU

何がなんだか解らないよ!チャオ!

ドラマやってた時は全く興味なく、主役もNTRヘタレ(参照:劇苺夜)だったので見ないつもりだった。
のだが映画のあらすじ読んで「都市伝説ダルマ?なにそれ面白そう!」と飛びついた訳です。

当たり前だけどドラマの地続きなので、ドラマ全15話とSPドラマ2話を視聴。
興味のあったダルマは殆どちょっとした解説と概念のみでほぼ出てこなかったが、面白かった。
真木よう子の揺れるおっぱいと情報入手の為に身体を使うエロさがとても良かった。その時の睦言を想い人の倉木に聞かれるってのもすごい良かった。
スピンオフも特に美しき標的編が好み。飯島直子のおっぱいが以下略で、懐かしい匂いのする探偵ドラマでシリアスなシリーズな中の閑話休題としては大満足。
砕かれた過去編は折角面白い題材なのに、シーンが交差し過ぎて中盤はさっぱり理解出来ず観ていて疲れた。混乱させ方下手か。

劇場版は、一応全部決着はついたものの、風呂敷の包み方としてはやや駆け足で乱暴だったし、正直よく解らない箇所が多々あった。

明星はまだいいとして、エレナの拉致は「あれ?見逃したかな」って思わず見返したほど。
あれカットする必要あった?間に回想なり入れればいいじゃん。

闇雲に走り回って一味っぽいの見付けて「あ!あのタトゥーは奴らと同じだ!」みたいに。
んでエリザが強奪されるシーンで連中が同じタトゥーしてる回想とかさー。

確かにエリザ取り返せば、ああこいつらに取られたのねって解るけどさー、なにこの編集。個人的には大嫌いです。

ダルマも結局よく解んないしな。
何で夢の中に出るんだっけ?グラークα作戦も国民監視システムも関係なかったしな。あれ意味解んない。
ダルマ本人も設定とか異名がデカ過ぎて、劇中の活躍が釣り合ってないから大物具合がよく解んないし。
ビートたけし氏を起用する事でビジュアル面にそれを語らせる役割はあると思うけど、非公開とかでもちっとサプライズ感あれば良かったなと。

そもそも倉木をメンバに選んだのも、何でだぜ?
態々ダルマが選んだ理由も全く不明のまま。優秀ってのは解るんだが、融通利かんキャラ知ってるだろうし、人質になるような人材はダルマ側が殺しちゃってるんだよね。
嫁さん繋がりにしても弱いよなー。

で津城警視正が殺された理由も解らん。見せしめ?
生かして利用する方が良いのでは。うーん。いやインパクトはあったよ?
もしかして利用されない為に自殺を選択した、のをダルマが利用したって事?

あと細かいとこ色々あるけどどうでもいいちゃあいいので割愛。

役者の演技云々は、殺し屋棒も含めみんな良かったです。
松坂桃李くんや伊勢谷友介くんの無駄遣いっぷりも豪勢で結構。

ただアクション面のぬるさがドラマより増幅しちゃってんのは何で?




・『劇場版 MOZU』公式サイト
http://mozu-movie.jp/
・MOZU - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/MOZU

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『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』感想

TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ
最悪のクソ映画でクソつまんねぇけど面白かった。

最近『HELLS ANGELS』を観てしまってたからか、実写っつーか邦画の限界、特にこの映画だとクドカンのケレン味が悪い意味でチープに感じた。
地獄が舞台なので、多分恐ろしくスタジオチックなミニチュアファンタジーがコントされるんだろうと予想してたのだが、それ以上にミニマムで、本来それも監督の味ではあるものの、狭苦しい印象が序盤に展開されるのは、個人的に合わなかった。

テーマがテーマだからか、クズが楽しく地獄ライフを満喫する「格好良いから地獄に落ちた」とのたまうセリフも出る程に、ゲスでカスなうんこ野郎とその行為を只管賛美し、何の不備も落ち度も無い人を理不尽にあざ笑う、モラルハザードな映画でもある。
合わない人にはとことん合わない、最悪の映画。

しかし、どんなにゲスでも笑えてしまう部分が否めなく存在する事を確認した作品でもあった。
所詮は私も弱者でありながら弱者を嘲る側に片足を突っ込んでいる人間に過ぎない。

あと、それらとは関係なく「えっ?ここから?」とか面白かったシーンは沢山ある。


地獄に落ちたクソクソクソ野郎に仏が一度だけチャンスを与える『蜘蛛の糸』が如何に優れたストーリーであるのか、それもまた思い出させる映画だった。




・映画『TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ』公式サイト | 鬼ヒット 上映中!
http://tooyoungtodie.jp/
・TOO YOUNG TO DIE! 若くして死ぬ - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/TOO_YOUNG_TO_DIE!_%E8%8B%A5%E3%81%8F%E3%81%97%E3%81%A6%E6%AD%BB%E3%81%AC

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『殿、利息でござる!』感想 クソタイトル詐欺

殿、利息でござる!
卑怯過ぎる。
そしてギリギリの映画。


一応ヒットらしいし、評価も高い。
だから良いものの、このふざけたタイトルとポスター、予告では、内容や趣旨を正しく伝えた広報とはとても思えない。
無論それは映画を観てから判明する詐欺なのだが、それでは遅いから激しく憤る訳である。

まこと腹立たしい。


=以下、ネタバレです。=

確かにコメディではある。
「実は、実話じゃった」って予告のセリフもかなり好きな部類だが、しかしこの映画の中身は完全なるリアル感動エピソードなのだ。
それも上からの極めて厳しい締め付けに喘ぐ百姓たちが、知恵と汗を搾りに搾って、中には命すら削って訴える懇親の申し出であり。
如何にして無い中から銭をかき集めるか、そして如何にしてお上の心を揺さぶるか、である。

それらは「ゼニと頭は、使いよう。」等と言った阿呆丸出しのキャッチコピーからは決して窺い知れない、アクション性の知略とは掛け離れた、ただ汗、汗、汗(もっと良い言葉がある筈)であり、微力の欠片をひたすら積み重ねただけのものである。
そして極めつけは”訴えるだけ”と言う点に集約される。
武力や暴力には一切頼らず、頂上までの過程に一人でも悪代官がいればそこで往生する、言ってみれば人柄や運にすら任せた、恐るべき平伏レベルの申し立てである。

更には、そんな事に己の人生を費やし、子々孫々を巻き込み、代々続いた店を潰す覚悟までするのだから、それがリターン無しの事業だとは信じられない。
作戦が成功さえすれば、いずれはその利益が自分を含んだ町全体に還元されていくシステムだとしても、殆ど慈善であり、寄付や募金の類に相当する。恐ろしい。

いやこの枯渇した私のような老人すらも、映画を視聴し湧き水の如く鼻水を垂れ流すのだから、ドレッドノート級の感動剤には違いない。

違いは無いのだが、とっくに潰れたていたと話す浅野屋がその上もう500貫(約3千万円)を出す際に、その家族が「受け取ってくれた」と安堵する場面は、泣き崩れた私の心をへし折るに十分な気持ち悪さを印象として抱かせるものだったことを正直に告白する。

あのシーンは止めに近い。いや止めだろう。
もうぶっちゃけ「ここまで行くと逆に気持ち悪い」ってレベルだと思う。
殆ど奉仕厨とか、なんかの盲目的信者だよ。怖いよ。

ギリッギリである。
きっちり泣けてきっちり笑えるエッセンスのバランス配合が見事なこの映画は、ギリギリであった。普通の映画なら吐いてる。

またこの映画では、悪人を描いていないと言う点も特徴的と言える。
一応、松田龍平扮する萱場杢が劇中の悪人を一手に担う役割ではあるものの、道理を弁えない根っからの極悪人では無く、どちらかと言うと話を通せば通る方であり、大抵の場合最大の難関である殿様もまた、馬鹿でも悪人でも無いと言ったあっさり風味である。
じゃあそもそも何でそんな苦しんでたの?と疑問すら浮かぶ良い上司たちに恵まれた環境で、ボタンの掛け違いが極限まで行くとこうなると言う見本なのかと邪推するも「藩の身勝手な都合」で彼らの活躍から40年後に利息を白紙にされたとナレーションされる事から、やはり描かれなかった部分で理不尽の権化がどうしようもなく絡んでいると解る。

その悪人や劣悪な環境があって、本来、それの対極に位置する浅野屋のような恐るべき善人がバランス良く見え、基本的には物語としてスムーズにと言うより歪な偏りを感じさせない。
この点からもこの映画がかなりギリギリで、そして故に良作である事が解る。もしくはギリアウトなのだが実話なので強引に”良”と判断せざるを得ない。

凄まじく超ストレートな泣かせ話として、涙腺をこじ開ける豪腕っぷりが卑怯とすら思うのだが、それが正しく機能するからこそ、所詮は百姓、つまり庶民にしか届かないだろうとも思う。
仮にこの映画の話で感動し、少しでも影響を受ける人は、結局良い部分の揺らぎを持つ最低でも小悪人なのであり、一般庶民である。
この映画に出て来ないレベルの悪人は、例え泣いたとして、その涙を諭吉で拭うに違い無いし、それ以前に一笑に付すだろう。それが解る映画でもあった。




あ、そうだ書き忘れたけど、広報ほんと死んで欲しい。
「上手い具合に騙せて、文句も言われない」とか思ってそうで、そのセンスが、まあ合わない。
もっといい代案なぞ浮かばんし、売れたから良かったけどね。




・『殿、利息でござる!』大ヒット上映中!
http://tono-gozaru.jp/
・殿、利息でござる! - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%AE%BF%E3%80%81%E5%88%A9%E6%81%AF%E3%81%A7%E3%81%94%E3%81%96%E3%82%8B!

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『THE NEXT GENERATION パトレイバー 第7章』感想

THE NEXT GENERATION パトレイバー 第7章

ヘリが鉄板の箱にしか見えない。

Ep.12「大いなる遺産」
完結編の劇場版に直結する前日譚。

だが、特車2課存続の危機レベルの話にしては、如何せんシリアス過ぎる内容。
ただ勿論、南雲しのぶや柘植、後藤前隊長が出てくる訳で、劇パト2に匹敵する陰謀が関わってくるからなんだけども、後藤田周辺がメンバーとの温度差凄い。

本番である『首都決戦』への布石としては申し分なく、期待値をゴリっと上げる作品ではある。

つかグレイゴーストの造形、なんであんな格好悪いん?




・THE NEXT GENERATION パトレイバー|人気アニメ「機動警察パトレイバー」完全オリジナル実写化作品をスターチャンネルで独占放送!【スターチャンネル】
http://www.star-ch.jp/patlabor/
・THE NEXT GENERATION -パトレイバー- - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/THE_NEXT_GENERATION_-%E3%83%91%E3%83%88%E3%83%AC%E3%82%A4%E3%83%90%E3%83%BC-

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